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エアドロップ入門― Web3時代の「新しい報酬」の形

センチメンタルな岩狸

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サムネ
エアドロップ入門


エアドロップの仕組み・成功例・減少理由まで、今を総まとめ

暗号資産やDeFiの世界では、ここ数年で「エアドロップ(Airdrop)」という言葉をよく耳にするようになりました。アプリを使ったり、コミュニティに参加したりと、プロジェクトの成長に貢献したユーザーに対して、無償でトークンを配布する仕組みのことです。最近では、ポイント制度やオンチェーンアクティビティを活用した手法が一般化し、Web3プロジェクトがユーザーを巻き込むための重要なインセンティブとして定着しつつあります。


なぜエアドロップが行われるの?

エアドロップは、プロジェクトが「ユーザーと一緒に成長する」ための仕組みとして機能しています。初期段階から利用してくれたユーザーにお礼を示すだけでなく、トークンを持つこと自体が参加している実感につながり、コミュニティ形成を促します。さらに、多くの人にトークンを配布することで分散性が高まり、特定の少数だけがプロジェクトを支配するような状態を避けられるという利点もあります。こうした理由から、特にDeFiの領域では、エアドロップはプロジェクト初期の大切な施策として扱われてきました。


最近は「ポイント制のエアドロップ」が主流に

以前は「ある日にスナップショットを撮り、その時点の保有者にトークンを配布する」というシンプルな方式が主流でしたが、最近ではユーザーの行動を積み重ねるポイント型の仕組みが中心になっています。オンチェーンでの利用頻度や複数チェーンでの行動、さらにはタスクをクリアしてポイントがもらえるクエスト形式など、少しゲーム要素を取り入れたモデルも増えています。これにより、ユーザーはアプリを使うほどポイントがたまり、プロジェクト側にとっても、実際に利用してくれるユーザーが増やしやすくなるため、お互いにとってメリットの大きい形になりました。


歴史を作った象徴的な事例

エアドロップのインパクトを語るうえで、Uniswapの事例は外せません。2020年の大型エアドロップはDEX利用者の定着に大きく貢献し、その後のエコシステム発展を後押ししました。その仕組みとしては、Uniswapを使ったことがあるユーザーに「400 UNI」を配布し、瞬く間に「数万円~数十万円相当」になるケースもあり、コミュニティでは驚きの声が広がりました。

Optimismは2022年から複数回にわたりエアドロップを実施しました。実際にL2を使っていたユーザーを評価するという方針が好評で、プロジェクトへの信頼感が高まりました。特に初回のエアドロップ時はネット上で大きな盛り上がりがあり、SNSでは「OP祭り」と呼ばれるほど話題になりました。

Arbitrumはアドレス数が多かったこともあり、配布は慎重に行われましたが、それでも発表と同時にTwitter(現 X)が沸騰しました。「どれくらいもらえた?」という報告でタイムラインが埋まり、一気にユーザーと開発者が増えるきっかけになりました。

また、Zora・Friend.tech・LayerZeroなど、まだトークンを出していない段階からポイント制度だけ先に始める例も増えています。ユーザーは「将来なにかあるかも?」と期待しながら使いやすく、プロジェクト側は初期のアクティビティを集めやすいため、今の潮流として非常に人気のあるモデルです。

最近では、ビットポイントとMidnightが連携し、NIGHT(ナイト)トークンのエアドロップが予定されているとの話題も出ています。NIGHTはMidnightネットワークで使われるトークンで、ガバナンスやステーキングなどに関わる基本的な役割を担うものとされています。

ただし、まだ正式に確定したスケジュールが出ているわけではなく、「実施予定だけど詳細は未定」という段階のため、確実に配布されるとは限りません。興味がある人は、公式発表をフォローしつつ続報をチェックしておくと良いでしょう。


そして今、「エアドロが減りつつある」という声も

一方で、最近は業界関係者やコミュニティからよく聞かれるのが、「昔ほど簡単にはエアドロップがもらえなくなっている」という声です。その背景にはいくつか原因があります。

報酬だけを目的に使うユーザーが増えた

エアドロップが有名になりすぎて、報酬をもらったら離脱するユーザーが増加しています。これにより、プロジェクトは本来の目的である「長期的に利用してくれるユーザー」を見分けづらくなりました。

市場環境が変わり、トークンを配ってもすぐ売られやすい

エアドロップ直後に大量売りが発生することが増え、プロジェクトにとって価格面のリスクが高くなっています。そのため、プロジェクト側はエアドロップの配布が市場に悪影響を及ぼすことに慎重になるケースも増えています。

不正(Sybil攻撃)が増加

多数のアカウントを作成し、配布量を不正に増やそうとする行為も少なくありません。対策コストも上がり、安易なエアドロップは実施しづらくなっています。

参考:The Battle Against Airdrop Sybil Attacks: Insights From LayerZero and ether.fi Strategies

過度な配布がもたらす持続性の懸念

プロジェクトによっては、あまりにもトークンをばらまくとその後の価格安定や流動性維持が難しくなるという戦略的なリスクを見越して、「明言はしない」 「将来を保証しない」といった慎重なスタンスを取るところが出てきています。

参考:エアドロップは人気を失いつつある?Web3は持続可能な価値の新しい道を探求している


エアドロップは「入り口」として賢く活用しよう

エアドロップは、Web3ならではの「ユーザーと一緒に育つ仕組み」として、多くのプロジェクトを後押ししてきました。ポイント制度の普及によってユーザーの行動がより正確に評価されるようになり、今後も大切なインセンティブであり続けることは間違いありません。DeFiに触れるきっかけとしても、エアドロップを狙うのは良い入り口です。

ただし、本文でも触れたように、最近では環境が変化し、以前ほど確実に受け取れるとは限らなくなっています。だからこそ、過度な期待に頼らず、プロジェクトの実態やリスクを理解しながら、適度な距離感でうまく付き合うことが大切です。エアドロップはあくまで「きっかけ」として活用し、自分にとって価値のあるプロジェクトを見極めながらWeb3を楽しんでみてください。

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