
発売から12年、作品世界を歩く展覧会へ
株式会社ファンダムとUNDERTALE MUSEUM実行委員会は2026年7月30日、ロールプレイングゲーム『UNDERTALE』を題材とする大規模展覧会「UNDERTALE MUSEUM」を、2027年に東京と大阪で開催すると発表した。開発者のToby Fox氏が監修し、ゲームの舞台を巡るような没入型展示を展開する予定で、実行委員会は同展を作品にとって「世界初となる大規模展覧会」と位置づけている。
東京会場は池袋・サンシャインシティ展示ホールAで、会期は2027年2月19日から3月10日まで。続く大阪会場は大阪南港ATC Galleryで、4月22日から5月9日まで開催される。主催はUNDERTALE MUSEUM実行委員会が務め、日本語版のローカライズに携わったハチノヨン(8-4)と、公式グッズを展開するFangamerが協力する。チケット価格や販売方法、展示内容の詳細は、ティザーサイトと公式Xを通じて順次案内される予定だ。
選択によって変わる物語を空間へ変換
『UNDERTALE』はToby Fox氏が開発し、2015年に発売されたインディーRPGだ。地下世界に落ちた人間の子どもを操作し、モンスターと出会いながら地上への帰還を目指すなかで、プレイヤーは相手を倒すか、会話や行動を通じて見逃すかを選ぶ。その判断は物語の展開や登場人物との関係に反映されるため、戦闘の結果だけではなく、プレイヤー自身の行動が作品体験の中心に据えられている。こうした構造に、独特のユーモアや音楽が組み合わさったことで、発売後も長く支持され、関連企画が継続してきた。
そのため、作品を展覧会へ置き換える際には、設定資料やキャラクターを見せるだけでは、ゲーム内で得られる感覚を十分に再現しにくい。『UNDERTALE』の魅力は、選択によって変化する会話や物語、場面と密接に結びついた音楽にあるため、会場内の動線、映像、音響、造形物をどのように組み合わせるかが展示の完成度を左右する。公式はゲームの舞台を巡るような没入型展示を掲げているものの、来場者が一定の順路に沿って地下世界をたどるのか、参加型の演出を取り入れるのかなど、具体的な構成は明らかにしていない。

音楽、商品、イベントへ広がったIP展開
『UNDERTALE』はゲーム本編の発売後も、音楽、公式商品、コンサートなどを通じて、ファンとの接点を継続的に広げてきた。Fangamerではゲームソフトに加え、衣類、ぬいぐるみ、フィギュア、アートブック、音楽商品、ポスター、生活雑貨など幅広い公式商品を扱っており、作品世界を日常生活のなかで楽しめる商品展開が長期にわたって続いている。
さらに、日本では発売10周年を記念した「UNDERTALE 10th Anniversary Concert」が2025年から全国で展開され、ゲーム内の楽曲をオーケストラやバンド演奏、映像演出と組み合わせて届けてきた。商品が作品を身近に置く接点となり、コンサートが音楽を共有する場を生み出したとすれば、今回の展覧会は、来場者が作品世界そのものを歩く体験へと展開を広げる企画と捉えられる。発売から年月を経た後も、作品の構成要素を異なる形式へ組み替えながらファンとの関係を維持できる点は、『UNDERTALE』が長期型IPとして持つ強さの一つだ。
日本展開を支えてきた8-4とFangamerが協力
展覧会の協力企業として名を連ねる8-4とFangamerは、これまでの日本展開でも重要な役割を担ってきた。8-4は日本語版のローカライズに携わり、原作特有の言葉遊びやユーモア、登場人物ごとの話し方を、日本語圏のプレイヤーに伝える役割を果たした。一方、Fangamerは公式商品を継続的に展開し、ゲームを遊び終えた後もファンが作品と接触できる環境を築いている。
両社は10周年コンサートにも関わっており、公式公演情報では8-4が協力、FangamerがSpecial Thanksとして記載されている。今回の展覧会でも両社が協力することで、作品の表現を日本語圏へ届けてきた知見と、キャラクターや音楽を商品として展開してきた経験が、展示構成や関連企画に生かされる可能性がある。ただし、具体的な担当範囲は公表されていないため、会場演出や物販を含む各社の役割は今後の案内で明らかになる見通しだ。
長期型IPとしての蓄積が問われる展覧会
インディーゲームは大手企業の長期シリーズと比べ、発売から長い時間が経過した後も、大規模なリアルイベントを継続することが難しい。そのなかで『UNDERTALE』が東京と大阪の大型会場を巡回できる背景には、ゲーム本編の人気に加え、音楽、キャラクター、物語をそれぞれ異なる体験へ再構成できる作品の柔軟性と、国内展開を支えてきた企業との継続的な関係がある。
もっとも、チケット価格や販売方式、入場時間の指定、限定グッズ、撮影可能な範囲など、来場を具体的に検討するための情報は今後の発表に委ねられている。特に大阪会場はゴールデンウイークを含むため、予約方法や混雑対策によって参加のしやすさも変わる。Toby Fox氏の監修と、長年作品に関わってきた企業の協力が、単なる資料展示にとどまらず、『UNDERTALE』固有の選択、会話、音楽を一つの空間体験としてまとめる構成へ結びつくかが、展覧会の評価を左右しそうだ。
公式発表:ファンダム PR TIMES、UNDERTALE

コメント